2024.07.17
横浜DeNAベイスターズ1軍のメディカルケアを担当しています小森朋実と申します。
投手の障害予防で行っている登板後チェックについてご紹介します。
登板後チェックを行う理由としては、
肩や肘の構造的破綻がないかどうか(以前のブログ障害予防の第1歩「全体像を捉える」にある肘のエコーを参照ください。)
また肩や肘の機能が落ちていないかどうかをチェックするために行っています。
測定機器を使うことによって可動域が低下している、筋力が低下しているということが数値でわかるため、可視化でき選手へのフィードバックがしやすくなります。
また力が入っているかどうか、選手の主観やトレーナーの主観に頼ることなく、客観的にみれるのも良いところだと思います。(個々のスキルと再現性が必要になるため、練習が必要となってきますが。)
横浜DeNAベイスターズで行っている可動域測定、筋力測定をいくつかご紹介します。
Full Can 筋力テスト。
肩の腱板のひとつである棘上筋を主とした筋力測定になります。
次に、2nd内旋、外旋筋力測定です。
これも肩の腱板の筋力測定になります。
【内旋筋力測定】
【外旋筋力測定】
この筋力が低下したり、バランスが崩れてくると上腕骨と肩甲骨とのポジションが悪くなるため、肩のケガに繋がりやすいと考えられます。
その他にも、様々な徒手検査なども踏まえ、投手の肩、肘の状態を把握するようにしています。
構造的に問題があれば精密検査や治療を行い、機能的な問題が診られた場合には予防のエクササイズを実施しています。
状態が良くなったかどうか、機能が改善しているかどうかも再度このチェックを行うことで可能になります。
ケガを未然に防ぐためにも、日頃からの可動域チェック、筋力チェックをしていきましょう。