2024.12.06
はじめまして。私は横浜DeNAベイスターズAR担当の世良田拓也と申します。
ARの仕事としては怪我をしてしまった選手のプレー復帰までのリハビリテーションが主になります。
今シーズン怪我をしてしまった選手の動作や身体の評価をしていく中で多くの選手が共通のスタックしたアライメントを呈しており多くの代償運動を伴った結果、怪我に繋がっていたと考えております。
私がリハビリ選手が復帰する過程において、目的として選手自身の身体の感覚の内省、組織回復の早期化、再発予防、パフォーマンスアップに繋がることを考えてエクササイズを処方しています。
今回ご紹介させていただく横浜DeNAベイスターズが年間継続教育として行なっているPRI (Postural Restroration Institute)のエクササイズで、PRI評価を行う中で多くみられたPatho PECパターンに対してのエクササイズを1つ紹介をしたいと思います。
・スタンディング・ウォール・サポーテッド・リーチ
Copyright © 2000-2024 Postural Restoration Institute®
Used with permission from PRI Japan LLC
環境と道具 – 準備するもの
・壁 / やわらかいボール (10-15cm)
セットアップ – 始める前に
・壁から20-25cm程度離れた所に立ち、壁に寄りかかる。
・足は肩幅に開き、ボールを膝の間に挟む。
⼿順
1. 両手を身体の前に位置させ、背中を若干丸め、腰が壁に対して平らになるように骨盤を後ろに傾ける。
2. 両膝でボールを押しながら、両膝を曲げて身体を下降させる。
3. 鼻から息を吸い、口から息を吐く。息を吐く際、腰の位置を保ちながら、両手を斜め下方へ伸ばす。この時、上背部は壁から離れる (写真参照)。
4. 両手を伸ばしたまま、ゆっくりと鼻から息を吸い、背中に空気を取り込み、胸郭後部を拡張させる。
5. 口からゆっくりと息を吐き、両手をさらに前方へ伸ばす。この時、両太もも前面と両腹壁の筋肉が活動するのを感じる。
6. この手順で4-5 回ゆっくりと呼吸をする。鼻から息を吸い、ゆっくりと口から息を吐く。
7. 最後に息を吐く際、腰を壁につけたまま、踵で地面を押してゆっくりと立ち上がる。
8. 一度リラックスし、同じ手順をもう4 回繰り返す。
Copyright © 2000-2024 Postural Restoration Institute®
Used with permission from PRI Japan LLC
多くの選手がハムストリングスの張りを訴えることがありますが、評価をしていくと骨盤前傾位で前面にある大腿四頭筋、腸腰筋、大腿筋膜張筋の筋緊張(求心性収縮状態)であり、それに伴い後面のハムストリングスが遠心性収縮の状態に置かれており、ハムストリングス損傷のリスクが多い状態にありました。このような状態に対して選手へこちらのエクササイズを処方することでハムストリングスの張り感の軽減に繋がることが多くありました。
その他、チームでは多くのPRIエクササイズ処方していますが代表的なエクササイズを紹介させていただきました。
何か選手の障害予防の参考になれば幸いです。