
2025.05.06
はじめに
ファームでメディカルケアを担当している阿部です。
プロ野球も開幕して1ヶ月が経ちましたが、各チーム様々な要因で不調が起きてきています。
今回は人の動きを少しミクロな視点で見ていこうと思います。
固定点と動点
人の関節は色々な形状のものがありますが、基本的には骨と骨の間にある筋肉が縮むことによって動きます。(AとBが近づく)
その時、Bの骨が固定されていたらAの骨が動き、Aの骨が固定されていたらBの骨が動きます。
その固定されている部分を「固定点」、動いている部分を「動点」と呼んでいます。
通常、人の動きでは、図1のように動くことはほとんどなく、図2のようにどちらかの骨が固定されている状態で動きが起きます。
図1のような状態は体がとても不安定な状態なので、体は筋肉で安定を作ろうとします。
そのため筋肉が硬くなり、体の動きが悪くなります。
そのため固定点をしっかり作ることがトレーニングをすることが重要になります。
エクササイズ例
固定点と動点を作るエクササイズの例をあげます。
応用
エクササイズ例を紹介しましたが、このエクササイズで代償動作が出てしまったり、動点に必要な筋力がうまく入らなかったり、可動域が出なかったりした場合、固定点がしっかり固定されているか確認してみてください。
固定点にしっかり圧力がかかっているか、固定点になっている骨を安定させる筋肉がしっかり働いているかなどです。
例えば、上側のエクササイズでは、肘をしっかりベッドに押し付けるような肩甲骨外転の筋力がしっかりしているか、肘の圧力を感じる知覚はしっかりしているか。下側のエクササイズでは、母指MP・第5中足骨基底部・踵の3点にしっかり圧力がかかっているか、足部の筋力はしっかりしているか、などです。
また、この固定点と動点の関係は通常人の体では連鎖的に起こります。
上肢を例に挙げると
「内腹斜筋が働く → 肋骨が固定点として安定する → 前鋸筋が働きやすくなる → 肩甲骨が固定点として安定する → 肩周囲の筋が働きやすくなる → 腕が動かしやすくなる」
終わりに
人の体は複雑で一つの動きでも固定点が沢山あります。
良い動きが引き出せなかった時は、固定点にも着目してみてください!