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DeNA

2023.04.27

【障害予防は組織作りから①】

はじめまして。横浜DeNAベイスターズHigh Performance Groupの責任者を務め ております
桑原と申します。(チーム統括本部 育成部 部長 兼 High Performance Group GL)※GL=Group Leader
私自身、トレーナー領域におけるバックグランドは一切持ち合わせておらず、専門知識も皆無な中今シーズンより組織のマネジメント専任として同職に付いております。

さて、本ブログでは「障害予防」をテーマとしており、今後それに沿った情報を各担当者より積極的に発信していくつもりではありますが、横浜DeNAベイスターズ組織の根本となる考えを私からも伝えさせてください。

我が横浜DeNAベイスターズは、当ブログでもご確認いただければ分かるように12球団の中でも多い人数構成でトレーナー組織を運営しています。
人数が多いということはその分選手へ手厚いサポートが可能になると思われがちですが、なかなかそんな簡単なものではありません。
トレーナー個々の知識、経験、感性によって形成されるトレーニングや障害予防への「価値観」は人の数ほど存在し、どんなに良い施策でもその「価値観」の相違、主張が理由で頓挫してしまうことが往々にしてあるのです

例えば
 ・トレーナー個々で言う事が違い選手を迷わせてしまう。疑心暗鬼にさせてしまう。
 ・各専門分野における主張がそれぞれ強く、なかなか部門間での連携が実現しない。 etc
トレーナー組織に限ったことではありませんが、チームで何かを成し得たい時に避けては通れない問題であり、多様性が謳われる現代において、我々の強みであるはずの多くの人(「価値観」)が存在することが、逆に組織の健全経営、成長、本ブログのテーマである「障害予防」達成へのボトルネックとなってしまうのです。
その問題が起きない為にカリスマ的なリーダーを据えて、組織の方向性を提示し意思統一を図っていくという人事もありますが、特にトレーナー領域におけるトレンド変化のスピード感は凄まじく最先端の取り組みと言われていることも1年後には簡単に書き換えられてしまう時代です。
どんなに優れたリーダーでも答えを出し続けることは容易ではなく、これまた破綻を招いてしまうことも否定できません。
何より属人化してしまうことは組織を運営する上で大きなリスクとなります。

巷ではVUCAとも言われているこの時代において、仲間の価値観(知識、経験、感性)を尊重できる組織、皆の価値観を持って新たな何かを創発する組織を目指すべきだと強く感じています。

横浜DeNAベイスターズでは昨年まで多くの障害発生、手術を余儀なくされた選手も多数いる状態が続き、障害予防を毎年最大のテーマに掲げてはみるものの、ここ数年フル戦力が揃う事も限られた期間しかありませんでした。
数多の失敗を経験し、自責の矢印をHigh performance Group自身に向けた時に、施策云々ではなくまずは組織づくりからしていくことが最優先という解にたどり着いたのが恥ずかしながら昨秋の話です。
それでもトレーナーのバックグランドがない私が提示した組織づくりに皆が賛同し、共に向き合ってくれることに感謝の毎日ですし、まずは私からメンバーの価値観を尊重し、信頼することが理想の「障害予防」実現の為の施策の第一歩と思っています。

今回はプロ野球球団のトレーナー部門がそういう問題と向き合っているということをお伝えさせていただきました。
次回以降より横浜DeNAベイスターズの組織づくりの話に加えてS&C、メディカル、リハビリ、栄養の各担当者より障害予防に繋がる取り組みの紹介もしていきますのでお付き合いください。

投稿者 : DeNA

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