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DeNA

2023.05.03

【障害予防は組織作りから②】

横浜DeNAベイスターズHigh Performance Groupの責任者を務め ております桑原です。

前回の投稿では、具体的な障害予防の施策とは少し違った角度からお話しさせていただきましたが、自球団のみならず、他球団トレーナーの方からもFeedBackをたくさんいただく機会がありとても新鮮でした。
共感いただけたことにこの場をお借りして改めて感謝を申し上げます。

今回は横浜DeNAベイスターズ(※以後 YDB)のトレーナー組織の体制、考えについてお話しさせていただきます。
これもまた障害予防の話からは遠いように感じられる方もいらっしゃるかと思いますが、スポーツチームにおいて切り離せないと思うので敢えてまたお話しさせていただきます。

YDBは、High Performance Group GL(私:桑原)を部門の責任者と置いたうえで、5人のチーフ制を引いております。
S&C、Medical、Athlete Rehabilitationの部門毎のチーフが1軍・ファーム組織を巡回し両軍の取り組みの一気通貫を狙い、それを支えるように1軍チーフ、ファームチーフを配置し所属する組織、トレーナー以外のGroupとの横連携とオペレーションを担保する機能を担っていただいています。
ちなみにこの5人のチーフは並列であり序列はありません。
※図参照

昨今トレーナーの価値が高まってきているスポーツ界において、
トレーナーを起点とした情報発信、情報集約が膨大になりつつあり、YDBでもそれは例外ではありません。
長いシーズン、タフなスケジュールで且つ70人を超える選手達の日常的に発生する障害の最小化を目指すことをミッションに課されており、コンディショニング、ワークロードの管理、治療、エクササイズ、トレーニング、トレンドのリサーチ等々情報の範囲はGroup内で完結することから、チーム全体に共有が必要なものと多岐に渡ります。

この体制ではその情報をより正確に共有し、各所で意思決定できることを目的にしています。
本来であれば組織の長である私が、情報を集約し求められる意思決定をテンポよく処理していくことが望まれるのでしょう。
しかし、トレーナー出身でもない私がそんな高度な専門性に基づく意思決定を出来るはずもありません。
よって各チーフに権限を委譲し裁量を与えて各持ち場で判断を下してもらうようにお願いしています。
最初こそみんなどこまで判断していいか分からずに「これどうすればいいですか?」と些細なことでもお伺いを立ててきましたが、私と判断基準を擦り合わせをすることで価値観が揃い始め、高い視座を持って判断をしてくれるようになったので、チーフが下してくれる判断と私の見解の差異はなくなってきました。
まだまだ課題は多く問題だらけの毎日ですが、チーフに限らずメンバーも積極的に私の視点と自身の視点をぶつけてきてくれることもあり、判断基準、価値観が擦り合ってきていることが何より大きいですし、情報を透明化し、意思決定をスムーズにするだけで皆がチームにとっての最適解を目指してくれるようになり始めたので改めて組織を改編してよかったなと実感しております。
その最適解が障害を未然に防ぐ施策、選手のパフォーマンスを上げるアプローチに繋がっていくと信じています
現場で起きていることはその現場にいる人が1番解像度高く情報を持っていますからね(笑)

今日もまた違った話をさせていただきましたが、プロ野球組織において切っても切り離せない話だとは思っていますので、勝手に綴らせていただきました。
次回はメンバーのライフワークバランス(休日とプライベートの向き合い方)についてお伝えさせていただきます。
これまたチームのパフォーマンスUP、障害予防に欠かせない要因と私は思っておりますのでまたお付き合いいただければ幸いです。

投稿者 : DeNA

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