2023.09.10
〜フィジカルチェック項目紹介〜
北海道日本ハムファイターズでトレーナーをしております理学療法士の渡邉和也です。
今回は、障害予防の取り組みとしてチームで年3回(春季・夏季・秋季)行なっている上肢のフィジカルチェックの項目についてご紹介しようと思います。
- 【目的】
- ◆定期的に身体の状態をチェックすることで、シーズンを通しての身体の変化を確認すること
- ◆障害が起きる前にエクササイズなどを行い、ケガを防ぐこと
上肢測定項目:①挙上位外旋、②肩甲骨内転、③リフトオフ、④結滞、⑤MER
①挙上位外旋
- 【目的】 肩外旋筋力
- 【目標値】 45度以上、Lag15度以内
- 【方法】
- ◾️肘頭を通る床への水平線と前腕中央との角度を計測する
- ◾️ベッド上に腹臥位でZero肢位をとり、肘を浮かせて肩外旋する
- ◾️他動での可動域を測定し、手を離して自動で保持する角度を測定する
- ◾️反対の手は顔の横に置く
②肩甲骨内転
- 【方法】
- ◾️肩峰を通る床への水平線と肩峰間の角度を計測する
- ◾️ベッド上に腹臥位になり、検査側は90度外転位とし、肘関節90度屈曲した状態で肩甲骨を内転させる
- ◾️反対の手もベッドの横に垂らす
- ◾️骨盤の代償が入らないように注意する。両ASISが浮かない範囲で行う
③リフトオフ
- 【方法】
- ◾️リスター結節から脊柱上の距離を計測する
- ◾️ベッドの上で腹臥位になり、肘関節90°屈曲、肩伸展、内転、内旋位として手を背中に置く
- ◾️その状態から手を背中から離すようにする
- ◾️腰から手を浮かせた際に、肘が伸びないように注意する
④結滞
- 【目的】 肩内旋可動域
- 【目標値】 投球側:15cm以内、左右差8cm以内
- 【方法】
- ◾️C7から親指先端までの距離を計測する
- ◾️立位で手を後ろに回し、親指を上にして、出来る限り上方へ上げる
- ◾️左右ともに行う
⑤MER
- 【方法】
- ◾️前額面との垂直線と前中央腕の角度を計測する
- ◾️立位になり肩関節90°外転、肘関節90°屈曲位で2kgのダンベルを持ち、自動で立位最大外旋を行う
- ◾️胸椎の伸展を含めた最大外旋を評価する
- 今回は、チームで行なっている上肢のフィジカルチェックの項目についてご紹介しました。
- 障害を予防していくためには、日々のコンディションの変化にいち早く気づくことが大切です。
- 今回の内容が参考になれば幸いです。