2023.12.20
投球球障害予防エクササイズ(胸郭・肩甲帯)
埼玉西武ライオンズ トレーナーの五十嵐航太です。
今回は投球障害予防を目的としたセルフエクササイズをご紹介します。
〇投球障害
投球障害とは投球動作に起因する肩・肘関節障害のことであり、投球過多や各身体機能の低下など、様々な要因が複合的に作用して発生します。
その中でも、胸郭可動性低下や肩甲骨可動性・安定性低下は障害発生リスクを増大させる代表的な要因として挙げられ、機能改善に積極的に取り組む必要があると考えます。
そこで今回は胸郭・肩甲帯の機能改善にフォーカスしたセルフエクササイズをご紹介します。
いずれも器具を使わずに簡単に実施できるので、年代を問わずに行うことができると思います。
是非日々のコンディションに合わせて取り入れてみてください。
① Cat
【目的】脊柱屈曲可動性の獲得、腹筋群・前鋸筋の活性化
- ⒈ 肩の真下に手、股関節の真下に膝をついて四つ這いのポジションをとる。
- ⒉ 両手で地面を押し、背中を最大限に丸めた状態で3~4回深呼吸をする。
- (肩甲骨外転+骨盤後傾)
- ⒊ 呼気時に腹筋群の収縮、吸気時に背部の拡張を確認する。
② 胸郭側方ストレッチ
【目的】胸郭側方開大可動性の獲得
- ⒈ 背筋を伸ばして座位をとる。
- ⒉ 片側の肘を曲げ、上腕を頭に近づけて体幹を側屈させる。
- ⒊ 最大側屈位を保ちながら3~4回深呼吸をする。
- ⒋ 胸郭側方の伸長感、吸気時に肋間部の拡張を確認する。
③ トランクローテーション
【目的】胸椎回旋+伸展可動性の獲得
- ⒈ 頭の下に枕を置き横向きになる。
- ⒉ 上側の股関節・膝関節を90度にした姿勢をとる。
- ⒊ 下側の手で90度にした膝関節を固定する。
- ⒋ 体幹を安定させ、動作側の肘先で大きな円を描くように肩関節を動かしながら胸椎の
- 回旋+伸展を行う。
- ⒌ 最大可動域を保ちながら3~4回深呼吸をする。これを3回繰り返す。
④ Y エクササイズ(片手)
【目的】僧帽筋下部線維の活性化、肩甲骨安定性の獲得
- ⒈ 肩の真下に手、股関節の真下に膝をついて四つ這いのポジションをとる。
- ⒉ 首を長く保ちながら、支持側の手で地面を押し、動作側の腕を挙上する。
- ⒊ 両側の肘が曲がらないように注意しながら、10回繰り返す。