2025.04.22
横浜DeNAベイスターズの1軍チーフトレーナーの岡田匡史です。
今年もYDBハイパフォーマンスチームに所属しているトレーナーが定期的に投稿していきますので是非ご覧ください。
早速ですが、私からはYDBハイパフォーマンスチーム・トレーナーの仕事環境についてお話しさせていただきます。
「プロ野球チームのトレーナーとして働いてます」と伝えると多くの質問を受けます。
挙げればキリがありません。
私も入団前にプロ野球のトレーナーに関して調べたこともありましたが当時もあまり情報は無く、入団後に「知る・経験する」ことがほとんどでした。
今回、トレーナーを目指している方だけでなく、プロ野球が好きな全ての方に「トレーナー」というチームスタッフについて少しでも知っていただく機会になればと思いますのでお付き合いください。
まず、YDBのトレーナーチームの全体像をお話しします。
2025年シーズンにおけるYDBのハイパフォーマンスチームには19名(男性17名/女性2名)のトレーナーが所属しており、平均年齢36.3歳(46歳~27歳)となっています。
医療関連の資格だけでなく、JSPO-ATやBOC-ATCなどの資格を持っており、半数程度のトレーナーが複数の資格をもっています。
重複する資格もありますが下記のような資格を持ったトレーナーが所属しています。
YDBのトレーナーチームは専門分野毎に下記の3つに分かれています。
S&Cは選手のコンディションやワークロードを把握・管理し、状態に応じてウォーミングアップやトレーニング・エクササイズなどを行うのが主な仕事となります。年間通して選手のコンディションを維持・改善させ、選手のパフォーマンスを向上させる役割を担っています。
MCは選手が怪我をした際の初期対応や医師とのコミュニケーション、症状に応じた治療やテーピング、リカバリーを目的としたマッサージ等が主な仕事となります。パフォーマンスに影響のある痛み等の症状に合わせた治療を行うだけでなく、選手が試合に出場できるのか?という判断を担います。
ARは怪我によってゲーム出場ができない選手のリハビリテーションが主な仕事となります。怪我した選手を再発させずに最短かつより良い状態でチームに戻す役割を担っています。
次にYDBトレーナーの仕事環境についてお話しします。
トレーナーは春季キャンプからシーズン終了まで1軍・ファーム共にすべての試合に帯同しています。
2月中は沖縄や九州など気候の温暖な地域で春季キャンプを行い、3月から徐々に練習試合やオープン戦など対外試合が始まります。
3月末にペナントレースが開幕し、CSや日本シリーズなどまで含めると最長で11月初旬までがシーズンとなります。
シーズン中は基本的に試合のない月曜日が休日となり、オフシーズンはシーズン毎に多少差はありますが週休2~4日程度です。
ホームナイターゲーム(18:00試合開始)の1日のスケジュールを紹介します。
デイゲームは全て試合開始時間に合わせて4~5時間前倒しのスケジュールとなります。
シーズン中にはナイターゲームの翌日がデイゲームという場合もあるので「24:00に業務が終わって翌日7:00から業務開始」なんてこともあります。
YDBの1軍トレーナールームを紹介します。
限られたスペース・時間の中で選手のハイパフォーマンスを引き出せるよう下記のような環境になっています。

治療・トリートメント用のベッド、酸素カプセルや物理療法治療機器、レントゲン設備、選手が使用するテーピングや市販薬なども各種取り揃えています。

トレーニングルームには各種トレーニング機器やパフォーマンスの評価に使用する床反力計なども設置しています。
最近ではオフシーズンや日々のトレーニングにピラティスを取り入れる選手が増えてきており、ピラティスに関連するリングやバレル、リフォーマーなども設置しています。


最後にトレーナーチームとして大切にしている「チームと集団」についてお話しします。
”集団”というのは人(モノ)の集まりであり、1+1+1+1+1=5にしかなりません。
”チーム”というのはコニュニケーション(コト/経験)の集まりであり、1+1+1+1+1が創発が生まれることによって5よりも大きなモノ・コトを創り出すことができます。
人というのは意見の衝突を本能的に避けることが多いですが、意見をぶつけ合うことがなければモノ・コトが創発されることもないので我々はトレーナーチームをより良くするために”コミュニケーション”を大切にしています。
コミュニケーションの取り方によっては齟齬がでることもありますが「どちらかが悪い」ということはなく、投げる側・受け取る側どちら側にも責任があり、相手のせい(他責)にするのではなく、自分の投げ方・受け取り方を振り返ってみて自分に矢印を向ける=自責に捉えることが大切だと考えています。
このようなことをメンバー全員が理解した上で強いトレーナーチームとなれるように日々選手と向き合っています。
今回はYDBのトレーナーチームやトレーナーの仕事環境について紹介させていただきました。
より多くの方にプロ野球チームで働くトレーナーについて知ってもらえればと思います。
最後までお付き合いありがとうございました。