2025.08.18
こんにちは!
横浜DeNAベイスターズ、リハビリ担当の
春日梨那です。
タイトルの『120%の状態で復帰させる』は今年のリハビリチームのスローガンです!
プロ野球ではスーパープレイが度々起こる一方、怪我をするリスクも大いにあります。
また、限られた選手しか一軍でプレーできない非常にシビアな世界なので、
怪我をした選手は健常選手を上回る状態での競技復帰が求められます。
ベイスターズでは怪我を治すだけでなく、怪我をする前よりさらに強くなって復帰させることを目指しています。
このブログではこのスローガンを達成するためにリハビリチームが行なっている様々な業務と私が大切にしていることについてご紹介します。

<目次>
①選手対応
②他部署との連携
③リハビリトレーナーとして最も大切なこと
①選手対応
選手が怪我をしリハビリ入りが決定してまず行うことは、問診と全身の評価です。
問診では以下のようなことを選手に聞きます。
・なぜこの怪我が起きたと考えているか?
・チームドクターの見解を聞いてどう思っているか?
・リハビリ期間で怪我を治すことに加えてどんな課題に取り組みたいか?
・リハビリを終えた時に心身ともにどのような状態になっていたいか?
生物心理社会モデル(BPSモデル)の観点からも、思考や信念が痛みにつながることがあると言われているので、これらの質問をすることで選手の心理状態を少しでも理解し、選手とトレーナーが同じ方向を向いてリハビリに取り組めるようにしたいと考えています。
全身の評価については、ベイスターズではPRIのテストを活用しています。
人の体は複雑なシステムなので、患部の評価はもちろんですが、全身の評価を行って怪我をした原因を深掘りするようにしています。
それをもとに治療の方針やエクササイズの内容を決めます。
エクササイズの内容はPRIやDNSのコンセプトを中心に構成しています。
次に行うのはプランの作成です。
問診や全身の評価、チームドクターの見解をもとに選手、コーチと共にプランを作成していきます。
トレーナーだけでなく、選手やコーチの視点も踏まえて作成することで、
全員の「納得解」を得ることができ、同じ目標に向かってリハビリを進めることができます。
プロスポーツでは早期復帰が求められるので、プランを2〜3つ用意し身体の回復に合わせて臨機応変に対応できるようにしています。
プランが作成されたら、プランに沿ったスキル練習を復帰まで段階的に行っていきます。
②他部署との連携
選手対応と同時に行うのが、コーチやバイオメカニクス、S&C、管理栄養士との連携です。
怪我をした原因には投球や走動作のフォーム、ウエイトの内容、体組成の管理など様々な要因が考えられるので、各分野から見えるリスクと課題克服を行うための対策について意見をもらいます。
選手によっては直接話を聞きたい選手もいるので、選手を交えてミーティングを行うこともあります。
ここでも多方面からの意見を同じテーブルに並べ、「納得解」を創発することを目的としています。
③リハビリトレーナーとして最も大切なこと
リハビリトレーナーの業務をご紹介してきましたが、その中で
私が最も大切にしていることは選手や各部署の方たちとのコミュニケーションです。
皆さんも今までに何度も何度もコミュニケーションが大事と聞いてきたと思いますが、
結局はこれが一番大切です。
プロ野球という大きな組織の中で働き、たくさん失敗もして、よりコミュニケーションの大切さを学んだ気がします。
前述したように一人のリハビリ選手が復帰するまでに、多くの方が関わります。
コミュニケーションといってもただ会話をするだけではなく、選手が『120%の状態で復帰する』ために
誰とどんな内容を共有するか、起用を担うコーチ陣はどんな情報が欲しいか、どのタイミングで伝えるのがベストか。
こういったことまで考えて、周囲を味方にするコミュニケーションが取れることが大切だと思っています。
ある選手がリハビリを卒業する際に、
「これからの野球人生にものすごく生きる貴重な時間だった」
と伝えてくれました。
選手にとってリハビリ入りすることは最も避けたいことですし、焦りや苛立ちもあると思います。
しかし、そのリハビリ期間を自分と向き合ういい時間だったと思ってもらえるようなサポートをこれからも提供していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。