2023.07.30
横浜DeNAベイスターズ(※以下 YDB)High Performance Groupの責任者を務めております桑原です。
いつもご覧いただきありがとうございます。
プロ野球は後半戦に突入し、いよいよ順位争いも佳境となってきました。
ここから先はいかに良い戦力を保つことができるか、大きな離脱者出さずにどれだけ選手のコンディショニングを保てるかが鍵となってくる中で、トレーナーの担う役割は非常に大きいのでとても責任を感じながら日々過ごしています。
シーズン終わった時に皆が笑っていられるように今は踏ん張りどころですね。
さて本日は私の立場から見るいい選手になる条件についてお話しさせていただきます。
(私は選手育成の責任者も兼務しております)
YDBでは選手に対してコーチ、トレーナー、バイオメカニズム担当、アナリスト担当、人材開発担当と様々なポジションから意見を出し、その選手に合った環境設定、GOAL設定を協議します。
そこで協議されたものを選手にも共有し納得して取り組んでもらうことが当たり前の流れです。
選手について、議論をする時によく出る話が
・この選手は野球に取り組む姿勢が良くない
・意識が低い
・私生活がだらしない、整理整頓ができない
決まってこんな話になります。
要はOff the fieldの部分に言及をするわけです。
確かにうちで言えばエースの今永はじめ、主力選手は野球の練習以外にかける時間が非常に長いです。
活躍している選手ほど投球練習や打撃練習の時間はさほど多くなく、各目的のエクササイズ、トレーニング、栄養管理、データ分析とそちらに余力を割いています。
今年入団したトレバーバウアーはその象徴です。
彼はyoutubeで自分の趣味を公開してはいるものの、一度球場に入れば徹底した自己管理のもとでトレーニングから投球練習までをコントロールし、中4日であろうと高パフォーマンスを故障なく実現しています。
いい選手になればなるほど、自分のパフォーマンス発揮の責任を感じ、その為に余念がないのでしょう。
またそこまでできる人は私生活でも言うことありません。
タイムマネジメントはもちろん、風紀を乱す者がいれば注意することも厭わない。挨拶受け答えはしっかりとし、行動に常に目的を持っています。
なんかいい選手の共通点がそこなのであれば、もはやその部分が大事だと気付く環境設定をしてあげることだけがプロ野球の選手育成なのではないかと最近思ってきました。
とは言え、それが出来るのは一握りの選手だけ。
そんな選手になってもらうためにはまずは我々がそういう「人」でなければなりません。
特に選手の一番近くにいるトレーナーには「人としての成長」を意識してもらい、いい選手を育てるための環境の一部になってもらうことを求めています。
選手に変わってほしいなら、まず選手を取り巻くスタッフが変わることが大事ですよね。
その為にトレーナーをマネジメントする私が1番変わらなければいけないと、結局自分に矢印が返ってくるわけです(笑)
いい選手を育てるためにまずは私から変わろうと思います。